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『クラシック』と『料理』の  おいしい関係


by naxosjapan

コンピアルバム「サティおじさんのおかしな交遊録」を
お取扱いいただいている店舗のセルコーナーです。
いつもありがとうございます!

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NEW!

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JAZZ&classicalコーナへ入ると…おじさんいましたー!
NewReleaseの文字もキラッ☆


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クラシックコーナー中央トロント!試聴機にも入れて頂きました。マエストロの次、DISC2です。

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お隣はケフェレックさん…♡

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迷うことはありません、一直線!


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今度は現代のベートーヴェンと…!

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並ばせて頂いております。恐縮です。

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サティおじさんを探せ!(わかるかな)


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バババーンとど真ん中!得意げなサティおじさん。

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パリ、至福の興奮はまだまだ続いています。


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ブックレットや貼りパネでバージョンアップ!なんと賑やかなコーナーなんでしょう。楽しすぎる。


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今もっともトレンドなコーナーに置かせていただきました。サティおじさんの緊張はMAX…!


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twitterによる投稿(第1号)いただきました!音楽の都、パリ!


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シックな木目調の棚に黄色が映えます


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POPの裏にはサティおじさんが…見て!


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LFJコーナーに置いていただきました


あなたの街のサティおじさん、見かけたらぜひご一報を。
これからもどんどん更新予定ですー!

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# by naxosjapan | 2013-05-01 16:45 | サティおじさんのおかしな交遊録


スタッフ全員、をこめて作りました。


2013年4月10日(水) 成形
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*****


2013年4月12日(金) 色塗り
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*****


2013年4月17日(水) ホイップ注入、お化粧
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袋に力を入れすぎて、ホイップが横から出る始末

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おいしそう


*****


2013年4月24日(水) メガネ、帽子装着
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手先の器用なYさんによるお手製メガネ

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3つの小さなピエスモンテ

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萌。

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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013のナクソスブースにおきまして
サティおじさんのおかしな交遊録」をご購入いただいたご希望の方に
こちらの“ミニチュアサティーシュー”をプレゼントいたします!(数に限りがございます)
ぜひあそびにきてください。お待ちしています!

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こちらも手先の器用なN氏によるエッフェル塔

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パリの描かれた地図

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ヨーロッパ各地の風景の写真も
これら全てペーパークラフトの台紙だそうです

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型抜きされている部分を千枚通しで取っていきます

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開始20分。ようやく先端完成。補強のために木工用ボンドを使用

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開始40分。半分完成。キレイにはまらず苦戦中…

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完成!制作時間は1時間とちょっと

こちらのエッフェルくんもLFJのナクソスブースでお待ちかね!


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# by naxosjapan | 2013-05-01 14:35 | サティおじさんのおかしな交遊録
手紙の紙片 ストラヴィンスキーとシュザンヌ編_a0297303_1563690.gif

エリック・サティからイゴール・ストラヴィンスキーへ
アルクイユ=カシャン 1922年7月3日

親愛なるストラヴィンスキー

お元気ですか。
… お願いしたい大切な用事があります。それは、あるアメリカ合衆国の大雑誌(注1)から、あなたについて書くよう依頼された評論のことです。ご反対はなさらないだろうと思っております。
その評論の内容はまじめなものですが、読者の目には「平易で軽く」なければなりません。
どうか以下の質問への答えを送ってください。
 氏名
 出生地
 生年月日
 あなたの師(順に願います)
 作品一覧(年代、演奏地、出版社名)
あなたについて書かれた冊子や評論で、主要なものを挙げてください。
私はあなたを信頼しておりますので、ご自身についてとくに私が語るべき事柄を、私にお聞かせ願えますか。
できるだけ早いご返事をいただけるよう切に願っております。  敬具

エリック・サティ

(注1)ヴァニティー・フェア誌
*****

エリック・サティからイゴール・ストラヴィンスキーへ
アルクイユ=カシャン 1922年8月9日

 親愛なる高名な友よ。「短くも」暖かい言葉をありがとう。
 このところ毎日、例の評論にかかっていたのです。あなたを忘れていたわけではありません。
 私は話題にしたくもない批評家連中のように「大御所(ピオン)」ぶりたくはないので、あなたを評価したりはしません。まったく連中は馬鹿で哀れなものです。まあ驚くにはあたりません。彼らはその上、低能なのですから。
 友よ、私はあなたを評価したりはしません。あなたを敬愛し、あなたそのものである麗しい「光明」について、書きたいのです。お互いよく知っている、あの「糞まじめ」と、あなたを混同するような真似は、私にはできません。彼らは何という陰気な「間抜け」なんでしょう。
『パラード』をお送りいたします。
 ご夫人によろしくお伝えください。  敬具
ES

*****

手紙の紙片 ストラヴィンスキーとシュザンヌ編_a0297303_1533355.gifストラヴィンスキー
「エリック・サティ…気に入った。抜けめのないヤツだ。
小才がきき、知的に意地悪でね。」

手紙の紙片 ストラヴィンスキーとシュザンヌ編_a0297303_16361959.gif

エリック・サティからシュザンヌ・ヴァラドンへ
パリ 93年3月11日(注2)
手紙の紙片 ストラヴィンスキーとシュザンヌ編_a0297303_1940224.gif可愛いビキ
 できっこないよ
お前のことを考えずにいるのは
 お前は丸ごと僕の中にある、どこでも僕は
お前の瞳しか見ないんだ手紙の紙片 ストラヴィンスキーとシュザンヌ編_a0297303_19373776.gif 素敵な瞳、それに優しい手と
子供のようなきゃしゃな足
 お前は幸せだ
お前の透き通った額に皺がよるのは、僕の貧しい思考のせいでも
僕に会えない憂いからでもあるまい
 ところが僕は凍てつく孤独だけで
頭がカラッポになり
心は悲しみであふれるんだ
 忘れないでおくれ、お前の哀れな友が
次の三つの約束の内、ひとつは叶うと期待していることを
 1. 今夜、9時15分前に僕の家で
 2. 明朝、やはり僕の家で
 3. 明日の晩、(メゾン・オリヴィエの)デデのところで
 付け加えておこう、愛しいビキ、僕はちっとも
 怒らないよ、もしお前が約束の日時に来なくても
 今では僕は無茶苦茶にものわかりが良くなっているんだ、それに
 お前に会うのは幸福そのものだけど
 そろそろわかり出したよ、お前には、したいことのできない時もあるんだってね
 ねえ、ビキ、何にだって始まりがある手紙の紙片 ストラヴィンスキーとシュザンヌ編_a0297303_19373776.gif この胸にお前を抱きしめよう
手紙の紙片 ストラヴィンスキーとシュザンヌ編_a0297303_1940224.gif
エリック・サティ コルト街6番地

(注2)1893年。サティがまだモンマルトルにいた頃。宛先のシュザンヌは当時サティの隣に住んでいました。
※シュザンヌへの手紙が投函されることはありませんでした。それは彼の死後、弟のコンラッドによって発見され、その手紙の束はシュザンヌへ渡されのだそうです。いやはや…
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■サティと手紙

サティにとって手紙はお気に入りのコミュニケーション方法でした。
書式も多様で、送る相手やその時の気分、用途などによって使い分けられていました。
例えば、気楽な雑談のときには儀礼的な頭書きと末尾に社交辞令をつける、忘れてはならない重大なことがある日には、そのことを書いた手紙をわざわざ自分宛に送る、そして手紙を出すときは必ず、自分の名前は省略せずに書く(宛先が隣人の恋人であっても)…といった具合です。

ほかにも巨大なレターヘッドや、赤インクと黒インクで交互に書かれた文面、不自然な字配り、そしてごく普通のはがきや便せんに勿体ぶった筆跡で書くといったグラフィック・デザイナーよろしく、アートなこだわりがあったようです。

サティの手紙の多くは捨てられたり、秘密にして隠されたりして失われてしまいましたが、
残された手紙の断片からでも彼の知られざる意外な一面を伺い知ることは十分に可能です。
社交的で礼儀も正しく、おまけにこんなに情熱的だなんて意外じゃないですか。
奇人変人のイメージが強いサティですが、本当のところ、単に「自分に正直な人」なんだと思います。
だからこそ当時としては珍しく、自分を見失わずに彼特有のスタイルを築きあげることができたのではないでしょうか。
俗にいうサティのイメージはその正直さゆえに生じた誤解が作り上げた産物のような気がします。(むしろ人間臭い方だと思うんですよねー)

なるほど、サティの魅力はとてもとても奥深いのでした。

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# by naxosjapan | 2013-04-26 12:36 | サティおじさんのおかしな交遊録
対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_1553557.gif

フランス6人組とは?
ジェルメーヌ・タイユフェール、ジョルジュ・オーリック、ルイ・デュレー、オネゲル、ミヨーとプーランクによる作曲家集団。

名前の由来は当時さまざまなイベントや画家との共同展示などで、彼らの名が繰り返し一緒に並んでいたのを見たある批評家アンリ・コレが、彼らにたいしてのスローガンを欲しがった。そこで同じような形態で活動していたロシア5人組に倣い、「フランス6人組」と命名したことがはじまりだそう。

彼らは、美学も音楽スタイルもまるで異なる斬新なチームであった。
たとえばオネゲルはサティの音楽を嫌っていたし、その分シュミットやフォーレを高く評価していた。
しかしミヨーやプーランクはそれをまったく受け付けない、というふうな。


*****

対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_16332723.gif「【六人組】は、疑いなく、危険である―あるいはそう見える。そのとおりだ。
彼らは成功したこと―これほどまでの成功をおさめたこと―を恥じている。
それはたしかだ……。しかし万事休すというわけではないだろう。
私が提案したいのは、元気いっぱいに行動することだ。
【六人組】の作品は(オネゲルのものを除いて)、」

対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_13183067.gifオネゲル(以下省略)
「………!」

対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_13285145.gifフランス6人組(以下省略)
「まあまあ」

対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_16332723.gif「死刑執行人ヴュイエルモース―恐ろしい男だ―の手によって火あぶり処せられるだろう。
……【六人組】の音楽を(オネゲルのを除いて)

対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_13183067.gif「………!!」


対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_13285145.gif「まあまあ、まあまあ」


対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_16332723.gif「演奏し、歌い、踊ろうとする者は、排斥されるだろう。
……【六人組】のなんらかの作品(オネゲルのものを除いて)のコンサート、」

対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_13183067.gif「!!!」


対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_13285145.gif「オネゲル、落ち着いてぇ!」
注)本来はとても穏やかな人です

ドッタンバッタン

対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_16332723.gif「発表会、上演に立ち会おうとする―近くでも遠くでも―者は、譴責、調書、罰金などを科せられるだろう。そして彼らは“フランスおよび外国の唯一にして真正な作曲家として、しかるべく正式に推薦され、認可され、承認された人びと”によって与えられるみごとなコンサートやすばらしい発表会、りっぱな上演に入場することを拒絶されるだろう。
かくして、私たちは平和を手にし、すべては秩序―よき秩序―のうちに復するだろう」


この会話はフィクションです。


*****

サティとオネゲル

アルバムのブックレットをご覧いただくと、フランス6人組の内なぜかひとりだけはみ出し者が…
彼の名はアルテュール・オネゲル。≪パシフィック231≫などで有名なあの人です。

オネゲルはパリ音楽院でミヨーと同級生だったことがきっかけで、サティが創設したグループ“新青年派”(フランス6人組の前身)に属することになりました。
その頃に飾ったデビューは成功をおさめ、そのことに対しサティが上記のような嫌味を言うようになります。(愛情あってのことだと信じたいのですが)
当初からオネゲルは、他のメンバーとは異なり、古典的な構成や重厚さを追求していました。
彼自身の美学がつまったドラマティックな作風が注目されるということは、サティにしてみれば少なからず、恩を仇で返されたような気持ちになっていたのかもしれません。

実のところサロンの優雅な音楽家としてフォーレに一目をおいていたオネゲル。
このことに関して彼は「サティの方はじつに正しいと思う反面、創造力を欠いている気もする」とプーランクに手紙を出していたこともありました。
手紙の最後には「さまざまな違いがあることこそが、人生でも芸術でもいちばん美しいことなのじゃないだろうか」というような核心をついた内容も。
晩年にはその理解を示したものの、終生己の音楽の忠実な僕であったオネゲルの姿に、ほかの仲間たちもなにかを感じずにいられなかったことでしょう。

フランス6人組の活動

そうは言っても、先駆者としてサティとの出会いを忘れるわけにはいきません。
ドビュッシーやラヴェル的二流の模倣者たちがさんざひしめき、ストラヴィンスキーが神格化される中、身の丈にあった新しいものを求めている彼らにとっては、サティの音楽は素直に刺激的だったようです。

音楽以外のアートフォームのつながりで、サティはバレエや映画音楽なども手がけますが、彼に影響を受けた弟子たちも同じ土壌で作曲活動に携わっていくようになります。
今回のアルバムにも収録されているバレエ音楽「エッフェル塔の花嫁花婿」(アルバムに収録)は、まさにこうした活動から生まれたものです。
そもそもは今年没後50年を迎える、詩人で劇作家のジャン・コクトーからの楽曲依頼で制作されたものでした。出来は上々。しかしいざ上演となると、スキャンダルを起こしたことで有名なサティのバレエ音楽「パラード」(アルバムに収録)と同様に、野次や口笛が飛び交う始末となったのでした。

うーん、当時はそうだったのかもしれません。でも一度聴いてみてください。
違和感なく、むしろ最近の曲のように聴けるので驚くと思います。
そして100年も前からこんなにポップな音楽があったこと、そしてこれをクラシックと呼ぶのだということにもね。

*****

私から貴方へ
対話の紙片 3.サティとフランス6人組編_a0297303_19332479.gif手紙の紙片 ストラヴィンスキーとシュザンヌ編へ⇒


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# by naxosjapan | 2013-04-25 21:41 | サティおじさんのおかしな交遊録
対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_15555.gif

サティからスコラ・カントルム校長ヴァンサン・ダンディーへ

校長先生殿
アルベール・ルーセル先生の対位法講座を聴講するため、私の奨学金出願手続きを受理くださるようつつしんで貴校理事会にお願い申し上げます。
私は苦学する貧乏芸術家であります。貴校の授業料をお納めできないのを憤慨に思います。と申しますのも、これらの講義を聴講する学生に課せられる全額を、私は全く工面できないからであります。 敬具 エリック・サティ


*****

対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_20392332.gifルーセル(以下省略)
「こんにちは、サティくん。調子はどうですか」


対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_16332723.gifサティ(以下省略)
「ええ、とても良いです。そしてこれが今日の宿題です」


対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_20392332.gif「あなたの提出課題はペン習字のように入念に書かれ、赤インクで注記までしてある。几帳面で驚くべきことですね、いつも感心していますよ」

対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_16332723.gif「先週は"オーケストラのための貧弱なメヌエット”を提出しました」


対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_20392332.gif「ダンディ校長から預かっています、そして伝言も。いいですか、サティくん。
あなたは驚くほど音楽を知っている、驚くべき音楽家です。しかし先週の作品に関して、あんなに短くては、ほとんど評価が不可能です。音の連結が不必要にギクシャクしています。
物事を過大視するという奇癖に陥ってはなりません。編曲には堅固さがありません」
※本当はダンディ自身がサティのテキストに直接書いた注意文。

対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_16332723.gif「親愛なる先生、課題用紙の裏面をご覧になられましたか?」


対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_20392332.gif「?」


対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_16332723.gifパレストリーナのモテットについてですが、これこそまさにわれらが心優しき宗教の、素晴らしい不滅のカトリシズムのあっぱれな息子であります。
これこそわれらが親愛なる大聖堂、われらのローマ・カトリック芸術、われらが愛するすべてのもの、われらが崇めるすべてのものの兄弟であります。」
※ここで述べている内容を課題用紙の裏に書いていたのだとか。中学生のテストじゃないんだからさ…。

対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_20392332.gif(フフ…その手にはのらないよ、サティくん。それは逃げ口上というもの)
ゴホン!それはわかりました。ダンディ校長にそう伝えておきます。
ここからは私(対位法)の話です。一昨日宿題に出したソナタの小品がありましたね?あれは非常に穏当… あなたにしては穏当すぎます。」
※ルーセルはサティの極端な謙虚さと途方もない自惚れをあわせもつ性格を見抜いて、カマをかけたりしていたらしい

対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_16332723.gif「……」


対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_20392332.gif「あまり皮肉な表現ばかり研究すべきではありません。
落胆しないこと、また必要な形式をばかにしないことです」
※ついに言ッタ━━━━(゚∀゚)━━━━!

対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_16332723.gif「……ルーセル先生」


対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_20392332.gif「サティくん……」


対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_16332723.gif「私のコラールはバッハのそれに匹敵します。
ただ私の方が数が少なく、作品に気取りが少ないだけです」

対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_20392332.gif「……(君ってやつぁ)涙」



この会話はフィクションです。

*****

対位法課程エリック・サティ氏は卒業試験を優等で合格され、
以後作曲家修行に専念する用件を満たしております


1908年6月15日 
スコラ校長 ヴァンサン・ダンディー
担任 アルベール・ルーセル
事務長 ジャン・ド・ラ・ローランシー

*****


形式について

前回のドビュッシーからも言われていましたが、サティは形式というものに対してさまざまな人たちから指摘を受けていました。39歳にして復学した音楽学校では担任のルーセルをはじめ、校長のダンディにもしばしば「同じモティーフを繰り返しすぎる」と感想を述べられています。

この繰り返しこそがサティの音楽最大の特徴ともいえるのですが、当時は印象主義やワーグナーなどがもてはやされている時期でしたし、音楽はより複雑で緻密なものを追っかける傾向にあったので、サティの「シンプルで大衆的でちょっとひねくれている」作風はなかなか受け入れられなかったのでした。

ただ話は戻りますが、この「繰り返す」という動作はいうなれば、20世紀の特徴ともいえる“ミニマル”に集約されるのですが、その先駆者ともいえるのが彼、エリック・サティであるという事実はここに明らかです。
たしかにそれより以前から「繰り返し」の技法は作曲において使われていました。
要はサティの場合、ただ単純に短いフレーズを繰り返しているだけだということなのです。
昔の繰り返しと言えば、例えば最初に出てきた主題を転調させて後半に出現させる…といった具合です。繰り返すにも何かひと手間加えて、繰り返しをさせるわけです。
しかしサティの場合は違う。ただただ同じモチーフをひたすら繰り返す。
いわば「repetition(レピティション)」を行っていたということなのです。

この技法を音楽に用いた者はサティの前にはいませんでした。
これがどれだけ革新的なことであり、後の世代に多大な影響を及ぼしていくかなどは、このときの彼には皆目見当もつかなかったことでしょう。
もちろん当時の誰にもわからなかったに違いありません。

*****

そんなサティに影響をうけたフランス6人組が登場!お願いだからひとりずつ喋ってね
対話の紙片 2.サティとルーセル編_a0297303_19332479.gif対話の紙片 3.サティとフランス6人組編へ⇒

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# by naxosjapan | 2013-04-25 21:20 | サティおじさんのおかしな交遊録